【いまさら聞けない】アルコールの度数は質量か体積か?

理系の発想

「アルコール度数3%!初心者におすすめのお酒」

「9%の酒は飲めないよ」

「罰ゲームでで40%のテキーラ!」

など、お酒を飲む人なら、一度は目にしたことがある数字でしょう。

でも、ふと疑問に思ったことはありませんか?

「この5%って、一体何の5%なの?」

100 mLのお酒にアルコールが5 mL入っているという意味なのか。

それとも、100 gのお酒にアルコールが5 g入っているという意味なのか。

結論から言うと、

日本で一般的に表示されているアルコール度数は、「体積」を基準にしています。

つまり、「アルコール度数5%」とは、基本的に

お酒100 mLの中に、純粋なアルコールが約5 mL含まれている

という意味です。

今回は、「アルコール度数」という身近な数字を、理系の視点から見ていきましょう。

※この記事では、物理・化学の内容をできるだけ分かりやすく伝えるため、一部の表現を簡略化しています。厳密な定義とは異なる場合がありますので、ご了承ください。


アルコール度数は「質量」ではなく「体積」

まず、ここを押さえておきましょう。

アルコール度数は、一般に体積パーセントで表されます。

国税庁も、酒税法上の「アルコール分」を、15℃において、原容量100分中に含まれるエチルアルコールの容量と定義しています。

例えば、

アルコール度数5%

のお酒が100 mLあるとします。

この場合、単純化して考えると、

  • お酒:100 mL
  • 純アルコール:約5 mL
  • その他の成分:約95 mL

というイメージです。

つまり、アルコール度数=純アルコールの体積お酒の体積×100\text{アルコール度数} = \frac{\text{純アルコールの体積}}{\text{お酒の体積}} \times100

という考え方です。

そのため、アルコール度数10%のお酒が500 mLあれば、含まれる純アルコールはおおよそ50 mLと考えることができます。

「じゃあ10%なら、アルコールが10 g入っている?」

ここで注意したいのが、

「体積10%」と「質量10%」は違う

ということです。

例えば、

「100 gの中に10 gのアルコールが入っている」

というのは”質量パーセント10%”です。

一方、

「100 mLの中に10 mLのアルコールが入っている」

というのは”体積パーセント10%”です。

同じ「10%」でも、基準が違います。

これはアルコールに限った話ではありません。

例えば、

「食塩10 gを水90 gに溶かした」

のであれば、質量を基準にした濃度を考えることができます。

一方、

「この液体100 mLのうち、ある成分が10 mL」

という場合は、体積を基準にしています。

%という数字だけでは、何を基準にした割合なのか分かりません。

ここが重要です。数字は簡単に人を騙せる力を持っているのです。


なぜ質量ではなく体積なのか?

では、なぜお酒のアルコール度数は「質量」ではなく「体積」で表示されているのでしょうか?

その理由の一つが、

お酒を扱うときに体積の方が分かりやすいから

です。

例えば、

「500 mLの缶チューハイ」

という商品があったとします。

私たちは普段、

「この缶には何mL入っているか」

を基準に飲み物を扱います。

そこに、

「アルコール度数9%」

と表示されていれば、

「500 mLのうち、およそ9%が純アルコールなんだな」

と直感的に理解できます。

一方で、

「質量○%」

と表示されても、飲み物を普段「何g飲んだか」で考える人は、大学受験で地学基礎を選ぶ人くらい少ないでしょう。

つまり、

液体の飲料を扱ううえで、体積を基準にした方が分かりやすい

というわけです。


ここで「密度」が登場する

ここからがポイントです。

実は、

同じ100 mLでも、重さは同じとは限りません。

例えば、100 mLの水と100 mLのアルコールでは、質量が異なります。

これは、それぞれの密度が違うからです。

密度とは簡単に言えば、

「同じ体積に、どれくらいの質量が詰まっているか」

を表すものです。

同じフライパンでも、鉄でできたものは筋トレに使えそうなくらい重く、アルミ製のものはストラップにできそうなくらい軽いです。

式で表すと、密度=質量体積密度=\frac{質量}{体積}

となります。

つまり、

体積が同じでも、密度が違えば質量は変わる

のです。

比較してみよう!

ここでは、100 mLの液体にアルコールが5%含まれている場合を考えてみましょう。

ポイントは、この「5%」が質量(g)を基準にした割合なのか、体積(mL)を基準にした割合なのかです。

今回は、計算を簡単にするため、液体全体の密度を 1.0 g/mL、エタノールの密度を 約0.79 g/mLとして計算してみます。

① 質量で5%の場合

100 mLの液体は、密度が1.0 g/mLなので、

100 mL × 1.0 g/mL = 100 g

となります。

この100 gのうち5%がアルコールなので、

100 g × 0.05 = 5 g

つまり、アルコールは5 gです。


② 体積で5%の場合

今度は「100 mLのうち5%がアルコール」という意味です。

したがって、アルコールの体積は、

100 mL × 0.05 = 5 mL

です。

アルコールの密度を約0.79 g/mLとすると、

5 mL × 0.79 g/mL ≒ 3.95 g

となります。

つまり、アルコールは約4.0 gです。


比べてみると……

「5%」の基準アルコールの量
質量(重量)5.0 g
体積約4.0 g

同じ「5%」でも、何を基準に5%とするかによって、アルコールのグラム数は変わります。

これは、アルコールの密度が水より小さいことが理由です。

そのため、「アルコール5%」という表示を見たときには、質量パーセントなのか、体積パーセントなのかを区別する必要があります。

特にお酒に弱い方や、飲ませようとしてくる人がいる飲み会では要注意です。

まとめ

「アルコール度数○%」という表示。

実はこの「%」は、

質量ではなく、基本的に体積を基準にした割合

です。

例えば、

アルコール度数10%のお酒100 mL

なら、

純アルコールは約10 mL。

しかし、エタノールの密度は水より小さいため、その質量は約7.9 gです。

つまり、

「10%=アルコール10 g」ではありません。

ここで重要なのが、

「%は、何を基準にした割合なのか?」

という考え方です。

同じ「10%」でも、

  • 質量を基準にするのか
  • 体積を基準にするのか

によって意味は変わります。

普段何気なく見ている「アルコール度数」。

その数字の裏側には、

体積・質量・密度という、物理と化学の基本的な関係

が隠れているのです。

お酒は20歳から。そしてほどほどに。

わたしは、お酒は生活を彩る素敵な飲み物だと思います。自分で果実酒作るのとか、超楽しいです。

別の記事で、果実酒について書こうと思います。

それでは、よい生活を!

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